2008年02月16日
和紙を漉く (繊維を採る) 3
紙作りは と~っても時間のかかる 根気のいる作業
「早く 紙を漉きたいっ」 のですが・・・
表皮を取り除いた白い皮から 今度は繊維を取り出すのが
またまた大変な作業だったそうです。
①<川ざらし>
樹皮の中の水溶性の不純物を溶かしだすため
乾燥した樹皮を 川の浅瀬や流水に1~5日浸します。
②<煮熟(しゃじゅく)>
ソーダ灰や苛性ソーダなどのアルカリ剤を入れて煮立てた釜に
樹皮を入れて 数時間煮ます。
これによって 樹皮の繊維だけを取り出します。
③<ちり取り>
繊維を釜から出して きれいな水の流れている川へ持っていき
笊(ざる)に入れて よくかきまぜながら 灰汁(あく)を取ります。
塵(ちり)はひとつひとつ手作業で取り除きます。
この作業をいかに丁寧に行うかが 和紙の仕上がりを大きく左右
するのです。
④<叩解(こうかい)>
綺麗になった繊維を 硬い木の棒でたたいて ほぐしていきます。
綿のようになるまで 何度も何度もたたきます。
この作業 今は ほとんどが機械で行なわれています。
和紙作りの体験は2日間だけでしたので 表皮をある程度取ったあとは・・・
もう繊維ができてました!!
三椏(みつまた)の花が
咲き始めていました
いよいよ 紙を漉きます
「漉きぶね」 の中へ ほぐした繊維と 「ネリ」 を入れて よくかき混ぜ
「簀桁(すげた・すこて)」 という木枠に簀(す)を貼った道具を使って
紙を漉いていきます。
大きな簀桁を使って 均等に繊維を漉きあげ 薄く滑らかな紙に
仕上げるのは やっぱり 修行が必要
でも 「紙漉き職人になりたい 」と思ったほど 楽しかったです
小さな箱型のものを使えば ちょっと楽。
厚くなっても大丈夫!! 葉書き作りです。
和紙を漉くときには この簀桁を 左右にすばやく揺すります。
この 「揺すり」 がポイント
揺することによって 紙の繊維が縦横に絡み合い 薄くても丈夫な紙が
できるのです。
紙の漉き方には 「流し漉き」 と 「溜め漉き」 とがありますが
「流し漉き」 は 揺すりを使って漉きあげる 日本独特の技法。
厚い紙から薄い紙まで 均等に滑らかに そしてとても丈夫な紙を
漉きあげることができる「流し漉き」の技術は
世界に誇れる と~っても素晴らしい技術なんですよ~
そして この漉き方ができるようになったのは 「ネリ」
の発見によるのです
さあ 「ネリ」って何でしょうか?